数学の力

京大生が数学の定理・公式の証明や入試問題の解説をするブログ.

入試問題

京大2018年度理系第5問

問題.曲線 上の点 における法線上に, 点 を となるようにとる. ただし の 座標は より大きいとする.(1) 点 の座標 を求めよ. また, を求めよ.(2) 実数 は を満たすとし, が から 1 まで動くときに点 と点 が描く曲線の長さをそれぞれ とする. このとき, 極限…

京大2018年度理系第4問(確率)

問題. コインを 回投げて複素数 を次のように定める.(i) 1 回目に表が出れば とし, 裏が出れば とする.(ii) のとき, 回目に表が出れば とし, 裏が出れば とする. ただし, は の共役な複素数である.このとき, となる確率を求めよ.京大の問題では定番の, 求め…

京大理学部特色 H29年度第2問

問題. を自然数とする. 実数 を\begin{align*} a_n = \int_{\sqrt{3}}^{2\sqrt{2}} \dfrac{x^{2n-1}}{\sqrt{x^2+1}}\, dx \end{align*}で定める.以下の設問に答えよ.(1) と を求めよ.(2) すべての自然数 に対し, は正の有理数であることを示せ. さらに, を互…

京大2013年度理系第4問(関数の最大値)

問題. における の最大値を求めよ. ただし および が成り立つことは証明なしに用いてよい. 問題文を読むと, 微分して増減表を用いて最大値を求めるシンプルな問題に見えます. しかし, とおくと, となる を求めることができないようになっています. を計算し…

名古屋大2016年度文系第3問

問題.正の整数 に対して, その (1 と自分自身も含めた) すべての正の約数の和を とかくことにする. このとき, 次の問いに答えよ.(1) を正の整数, を 3 以上の素数とするとき, を求めよ.(2) を求めよ.(3) 2016 の正の約数 で, となるものをすべて求めよ. 正の…

京大2017年度理系第3問

問題. を自然数, を\begin{align*} \tan{\alpha} = \dfrac{1}{p},\quad \tan{\beta} = \dfrac{1}{q} \end{align*}を満たす実数とする. このとき\begin{align*} \tan{(\alpha+2\beta)} = 2 \end{align*}を満たす実数 の組 をすべて求めよ. 文系の問題では, 同…

京大2010年度理系[甲]第5問(積分・面積)

問題. を正の実数とする. 座標平面において曲線 と 軸とで囲まれた図形の面積を とし, 曲線 , 曲線 および 軸で囲まれた図形の面積を とする. このとき, となるような の値を求めよ. とりあえず の値は積分してすぐに求まります. については, と のグラフ…

京大2010年度理系[乙]第5問(数学的帰納法)

問題.次の問に答えよ.(1) を正の整数, とする. は で割り切れるが で割り切れないことを示せ.(2) を正の偶数とする. が で割り切れるならば または であることを示せ. (1) は典型的な数学的帰納法の問題です. ちなみに, この問題をより一般化して,「正の整数…

京大2009年度[甲]第6問(積分・曲線の長さ)

問題.極方程式で表される曲線の長さを求めよ.シンプルな問題文です.極方程式で表される曲線の長さを求める問題は珍しいので,少し戸惑うかもしれませんが, 直交座標での媒介変数表示された式に直せば,後は公式通りです.公式. で表される曲線の長さ は,…

京大2010年度理系[甲]第4問(数学的帰納法)

問題.数列 は, すべての正の整数 に対して を満たしているとする. このとき, すべての に対して であることを示せ.数学的帰納法の次のような特別なパターンを使う問題です. このパターンを知っていれば比較的簡単に解けます.[1] のときを示す.[2] について成…

東大2014年度理系第4問(証明問題)

問題次の条件を満たす組 を考える.条件(A) : は正の整数で, および を満たす.(1) 条件(A)を満たす組 で, となるものをすべて求めよ.(2) 組 が条件(A)を満たすとする. このとき, 組 が条件(A)を満たすような が存在することを示せ.(3) 条件(A)を満たす組 は, …

京大2016年度理系第2問(整数問題)

素数 [tex: p, q] を用いて [tex: p^q+q^p] と表される素数をすべて求めよ.

京大2016年度理系第1問(微分・極限)

(1) [tex: n] を 2 以上の自然数とするとき, 関数 [tex: f_n(\theta)=(1+\cos\theta)\sin^{n-1}\theta] の [tex: \displaystyle 0\leqq\theta\leqq\frac{\pi}{2}] における最大値 [tex: M_n] を求めよ. (2) [tex: \displaystyle \lim_{n\to\infty} (M_n)^n] …

京大2010年度理系[甲]第1問(確率)

問題.1 から 5 までの自然数を1列に並べる. どの並べかたも同様の確からしさで起こるものとする. このとき 1 番目と 2 番目と 3 番目の数の和と, 3 番目と 4 番目と 5 番目の数の和が等しくなる確率を求めよ. ただし, 各並べかたにおいて, それぞれの数字は…

京大2013年度理系第1問文系第2問(ベクトル)

平行四辺形 ABCD において, 辺 AB を 1:1 に内分する点を E, 辺 BC を 2:1 に内分する点を F、辺 CD を 3:1 に内分する点を G とする. 線分 CE と線分 FG の交点を P とし, 線分 AP を延長した直線と辺 BC の交点を Q とするとき, 比 AP:PQ を求めよ.

京大2013年度第1問を相似だけで解く

問題.平行四辺形 において, 辺 を に内分する点を , 辺 を に内分する点を 、辺 を に内分する点を とする. 線分 と線分 の交点を とし, 線分 を延長した直線と辺 の交点をとするとき, 比 を求めよ. 以前別の記事で, この問題をベクトルを使って解く方法を紹…

京大2013年度理系第6問文系第5問(確率)

問題投げたとき表が出る確率と裏が出る確率が等しい硬貨を用意する. 数直線上に石を置き, この硬貨を投げて表が出れば数直線上で原点に関して対称な点に石を移動し, 裏が出れば数直線上で座標 1 の点に関して対称な点に石を移動する.(1) 石が座標 の位置にあ…

京大2015年度理系第1問(定積分・体積)

関数 [tex: \displaystyle y=\sin\left(x+\frac{\pi}{8}\right)] と [tex: y=\sin{2x}] のグラフの [tex: \displaystyle 0\leqq x\leqq\frac{\pi}{2}] の部分で囲まれる領域を, [tex: x] 軸のまわりに 1 回転させてできる立体の体積を求めよ.

京大2010年度理系[乙]第6問(確率・区分求積法)

問題. 個のボールを 個の箱に投げ入れる. 各ボールはいずれかの箱に入るものとし, どの箱に入る確率も等しいとする. どの箱にも 1 個以下のボールしか入っていない確率を とする. 極限値 を求めよ.確率と極限を混合した問題. 京大の確率の問題は数列の漸化式…

京大2014理系第1問, 文系第3問(ベクトル, 最小値)

問題.座標空間における次の3つの直線 を考える: は点 を通り, ベクトル に平行な直線である. は点 を通り, ベクトル に平行な直線である. は点 を通り, ベクトル に平行な直線である. を 上の点として, から へ下ろした垂線の足をそれぞれ とする. このとき,…

京大2014年度理系第3問(微分・最大値)

問題. は, 条件 , を満たす三角形のうちで面積が最大のものであるとする. このとき, を求めよ.微分して最大値を求める問題です. の大きさはきれいな値として求まらないところと, 三角関数の変形(和と積の書き換え, 2倍角の公式など)を上手くできるかがポイン…

京大2014年度理系第2問(確率)

2 つの粒子が時刻 0 において \(\triangle{ABC}\) の頂点 \(A\) に位置している. これらの粒子は独立に運動し, それぞれ 1 秒ごとに隣の頂点に等確率で移動していくとする. たとえば, ある時刻で点 C にいる粒子は, その 1 秒後には点 A または点 B にそれぞ…

京大2014年度理系第6問(定積分・面積)

双曲線 [tex: \displaystyle y=\frac{1}{x}] の第1象限にある部分と, 原点 O を中心とする円の第1象限にある部分を, それぞれ [tex: C_1, C_2] とする. [tex: C_1] と [tex: C_2] は2つの異なる点 A, B で交わり, 点 A における [tex: C_1] の接線 [tex: l] …

東京農大1994年度(方程式)

実数 [tex: a, b, c] が, [tex: 3] つの等式 [tex:a+b+c=1, a^2+b^2+c^2=1, a^3+b^3+c^3=1] を同時に満たすとき, 任意の正の整数 [tex: n] に対して, [tex: a^n+b^n+c^n=1]が成立することを証明せよ.

京大2015年度理系第6問(確率)

\(2\) つの関数を, \(f_0(x)=\frac{x}{2}, f_1(x)=\frac{x+1}{2}\) とおく. \(x_0=\frac{1}{2}\) から始め, 各 \(n=1, 2, \ldots\) について, それぞれ確率 \(\frac{1}{2}\) で \(x_n=f_0(x_{n-1})\) または \(x_n=f_1(x_{n-1})\) と定める. このとき, \(x_n…