問題.
素数に関する整数問題です. 答えだけなら簡単に(当てはめて)求まりますが, それ以外に答えがないことを示す必要があります. に小さい素数を当てはめてみることで解答の糸口を探します.
解答.
与えられた式の対称性から, としてよい.[1] , のとき
より素数でない.
[2] , のとき
より素数である.
[3] , のとき
( 6 で割った余りが 0, 2, 3, 4 である自然数はそれぞれ 6, 2, 3, 2 の倍数となり素数でない).
このとき,
\begin{align*}
p^q+q^p &= 2^{6n\pm 1}+(6n\pm 1)^2\\
&\equiv (-1)^{6n\pm 1}+(\pm 1)^2\\
&\equiv -1+1\\
&\equiv 0
\end{align*}
ただし, は が 3 で割り切れる (つまり, と を 3 で割った余りが等しい)ことを表し, , を途中で用いています.
よって, は 3 の倍数であって, より, これは素数でない.
[4] , のとき
はともに奇数なので, は偶数となり, なので, は素数でない.
[1]~[4]より, 素数 を用いて と表される素数は17のみ.
追記.
上にも書きましたが, 今回のような問題では, まず としていくつか素数を当てはめて が素数になるかを調べてから解答の糸口を探します. まず, 場合分けの[1], [2], [4]の場合はすぐに気が付きますが, [3]の証明が問題です. 実際に小さい素数を当てはめると,, などから, が3の場合になると言えそうです. そこで, 5 以上の素数が と書けることを利用して証明ができました.
このような問題では, 3 以上の素数が や と表されることを使うことがあるので, 覚えておきましょう.
大学入試の実際の答案では, 高校までで習わないもの(今回の場合, 合同式 )は自分で定義したうえでなら用いてかまいません. (裏を返すと, 高校で習わない内容や記号を勝手に使うと, 減点されることがあります.大学や学部によって採点基準は変わると思うので,参考までに.)