数学の力

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東大2014年度理系第4問(証明問題)

問題

次の条件を満たす組  (x, y, z) を考える.

条件(A) :  x, y, z は正の整数で,  x^2+y^2+z^2=xyz および  x\leqq y\leqq z を満たす.

(1) 条件(A)を満たす組  (x, y, z) で,  y\leqq 3 となるものをすべて求めよ.

(2) 組  (a, b, c) が条件(A)を満たすとする. このとき, 組  (b, c, z) が条件(A)を満たすような  z が存在することを示せ.

(3) 条件(A)を満たす組  (x, y, z) は, 無数に存在することを示せ.

無限降下法ではないですが, 似た考え方をする問題です.

 

解答

(1)  x\leqq y\leqq 3 を見たす組を調べる.

 x^2+y^2+z^2=xyz より,

\begin{align}
z^2-xyz+(x^2+y^2)=0 \tag{1}
\end{align}

これを  z についての 2 次方程式とみて, 正の整数解をもつ場合を考えると, 判別式  D \geqq 0 より

 (xy)^2 - 4(x^2+y^2) \geqq 0

 x^2y^2 - 4x^2-4y^2 \geqq 0

 (x^2-4)(y^2-4)\geqq 16

この不等式と  0 < x \leqq y \leqq 3 を満たす  (x, y) の組は

 (x, y)= (3, 3) のみ.

このとき, 式(1)に代入すると,

 z^2-9z+18=0

 (z-3)(z-6)=0

 \therefore z=3, 6

よって,  (x, y, z)=(3, 3, 3), (3, 3, 6).

 

(2)  a^2+b^2+c^2=abc が成り立つとする. このとき,

 b^2+c^2+z^2=bcz が成り立つと仮定して  z を求める.

 z^2-bcz+(b^2+c^2)=0

 z について解くと,

 \displaystyle z=\frac{bc\pm \sqrt{b^2c^2-4(b^2+c^2)}}{2}

 b^2+c^2=-a^2+abc を代入すると,

\begin{align}
z&=  \frac{bc\pm\sqrt{b^2c^2-4(-a^2+abc)}}{2}\\
&=  \frac{bc\pm\sqrt{b^2c^2-4abc+4a^2}}{2}\\
&=  \frac{bc\pm\sqrt{(bc-2a)^2}}{2}\\
&=  \frac{bc\pm(bc-2a)}{2}\\
&=  bc-a, a \tag{2}
\end{align}

よって,  z=bc-a とおくと,  b^2+c^2+z^2=bcz を満たす.

また,

\begin{align}
z-c&=  bc-a-c\\
&=  \frac{abc-a^2-ac}{a}\\
&=  \frac{(a^2+b^2+c^2)-a^2-ac}{a}\\
&=  \frac{b^2+c^2-ac}{a}\\
&=  \frac{b^2+c(c-a)}{a}\\
&\geqq 0 \tag{3}
\end{align}

より,  z\geqq c を満たす.

以上より,  z=bc-a とおけば組  (b, c, z) は条件(A)を満たす.

 

(3) 以下の漸化式によって  \{a_n\}, \{b_n\}, \{c_n\}を定める.

 a_1=3, b_1=3, c_1=3

 a_{n+1}= b_n, b_{n+1}= c_n, c_{n+1}=b_nc_n-a_n

すると, (2)の結果から, すべての  n について

 (a_n, b_n, c_n) は条件(A)を満たし,  nによって異なる組となるので, 条件(A)を満たす組は無数に存在する.