問題.
平面において,2点 に対し,点 は次の条件 を満たすとする.
かつ点 の 座標は正.
次の各問に答えよ.
(1) の外心の座標を求めよ.
(2) 点 が条件 を満たしながら動くとき, の垂心の軌跡を求めよ.
(1) はいくつか考え方があるとは思いますが,この記事では余弦定理を使ってみます.
(2) の垂心については,①ベクトルで考える ②垂線の方程式から交点を求める などの方法が考えられますが,今回は①の方法で解きます.
ちなみに,実際の入試で使うべきかは分かりませんが,オイラー線の性質(三角形の重心は,外心と垂心を結んだ線分を に内分する点) を使うと垂心は楽に求まります.
解答例.
(1) 辺 の長さは なので, の外
接円の半径を とおいて余弦定理を使うと
\begin{align*}
2R &= \frac{2\sqrt{3}}{\sin60^\circ}\\
&= \frac{2\sqrt{3}}{\frac{\sqrt{3}}{2}}\\
&= 4\\
\therefore R &= 2
\end{align*}
外心は辺 の垂直二等分線,つまり 軸上にあるので,その座標を とおくと,点 からの距離が なので
\begin{align*}
\{0-(-\sqrt{3})\}^2 + \{\alpha - (-1)\}^2 &= 2^2\\
(\alpha+1)^2 &= 1\\
\alpha+1 &= \pm 1\\
\therefore \alpha &= -2, 0
\end{align*}
となります.点 の 座標が正で なので,外心の 座標は でなければならないので,外心の座標は .
(2) (1) の結果から,点 は原点 を中心として半径 の円周の の部分を動くことがわかります.そこで,点 の座標を とおきます.
辺 は 軸に平行なので, から に下ろした垂線の方程式は . よって, の垂心の 座標は .
次に,垂心の 座標を とおくと,
また,
なので,
\begin{align*}
\overrightarrow{BH}\cdot\overrightarrow{AC} &= (2\cos\theta+\sqrt{3})(-2\cos\theta+\sqrt{3})+(t+1)(-2\sin\theta-1)\\
&= -4\cos^2\theta+3-2\sin\theta-1-(2\sin\theta+1)t\\
&= -4(1-\sin^2\theta)-2\sin\theta+2-(2\sin\theta+1)t\\
&= 4\sin^2\theta-2\sin\theta-2-(2\sin\theta+1)t\\
&= (2\sin\theta+1)(2\sin\theta-2)-(2\sin\theta+1)t\\
&= (2\sin\theta+1)(-t+2\sin\theta-2)
\end{align*}
より なので,.
\begin{align*}
s^2 + (t+2)^2 &= 4\cos^2\theta + 4\sin^2\theta\\
&= 4
\end{align*}
より [tex: -2-2].
以上より, の垂心の軌跡は円 の の部分.