問題.
問1. 空間の3点を通る平面に関して点と対称な点の座標を求めよ.ただし,点が平面に関してと対称であるとは,線分の中点が平面上にあり,直線がから平面に下ろした垂線となることである.問2. 赤玉,白玉,青玉,黄玉が1個ずつ入った袋がある.よくかきまぜた後に袋から玉を1個取り出し,その玉の色を記録してから袋に戻す.この試行を繰り返すとき,回目の試行で初めて赤玉が取り出されて4種類全ての色が記録済みとなる確率を求めよ.
長くなってしまうので,問1と問2は別の記事に分けて書くことにして,本記事では問1の解説をします.(問2の記事はこちら)
問1. は 平面だとよくある問題ですが,空間なのでベクトルを使って垂直という条件を処理しましょう,という問題です.ベクトルの基本がわかっていればそこまで難しくない印象です.
解答例.
問1.①の中点が平面上にあること
②が平面に垂直であること
の2つから式を立てて解けばいいです.今回の場合,①からさきに扱うと解きやすいです.
まず,点はを通る平面上にあるので,実数を用いて
\begin{align*}
\vec{AM}=s\vec{AB}+t\vec{AC}
\end{align*}
と書けます.原点をとすると,なので,
\begin{align*}
\vec{OM} &= \vec{OA}+s\vec{AB}+t\vec{AC}\\
&= (1, 0, 0) + s(0-1, -1-0, 0-0) + t(0-1, 0-0, 2-0)\\
&= (-s-t+1, -s, 2t)
\end{align*}
次に,②の条件を考えます.
\begin{align*}
\vec{PM} &= \vec{OM} - \vec{OP}\\
&= (-s-t+1, -s, 2t) - (1, 1, 1)\\
&= (-s-t, -s-1, 2t-1).\tag{1}
\end{align*}
よりなので
\begin{align*}
(-s-t)\cdot(-1)+(-s-1)\cdot(-1)+(2t-1)\cdot0 &= 0\\
\therefore 2s+t+1 &= 0 \tag{2}
\end{align*}
同様に,
よりなので
\begin{align*}
(-s-t)\cdot(-1)+(-s-1)\cdot0+(2t-1)\cdot2 &= 0\\
\therefore s+5t-2 &= 0 \tag{3}
\end{align*}
(2), (3)を連立して解けば,.
(1)に代入して,
\begin{align*}
\vec{PM} &= \left(\frac{2}{9}, -\frac{2}{9}, \frac{1}{9}\right)
\end{align*}
したがって,
\begin{align*}
\vec{OQ} &= \vec{OP} + 2\vec{PM}\\
&= (1, 1, 1) + 2\left(\frac{2}{9}, -\frac{2}{9}, \frac{1}{9}\right)\\
&= \left(\frac{13}{9}, \frac{5}{9}, \frac{11}{9}\right)
\end{align*}
となり,点の座標は.