双子素数とクレメントの定理
素数の存在について
素数とは, 1とその数自身でのみ割り切れる自然数で, 1は含みません.小さい方から並べると下のようになります.
\begin{align*}
2, 3, 5, 7, 11, 13, 17, 19, 23, 29, 31, 37, \ldots
\end{align*}
素数は無数にある
さて, 素数はいくつあるのでしょうか.10以下では 2, 3, 5, 7 の4個.
100以下では 2から97 までの 25個.
1000以下では997までの168個.
10000以下では9973までの1229個.
と, 無数に存在します.
このことは以下のユークリッドによる証明が有名です.
素数であることの判定
与えられた が素数であるための必要条件を与える「フェルマーテスト」というものがあります. これは, フェルマーの小定理の対偶を利用しています.
が素数であれば, どんな に対しても上の式を満たしません.
また, が素数であるための必要十分条件としては, ウィルソンの定理があります.
双子素数
素数の中でも, 差が2であるような組を双子素数といいます.
双子素数の存在
双子素数は, コンピュータを使ってたくさんのものが見つかっていますが, 素数のように無数に存在するかどうか, という問題はいまだに解決していません.
では, 双子素数であることの判定は?
素数の判定方法にウィルソンの定理があったように, の組が双子素数であるための必要十分条件として, 以下のクレメントの定理というものがあります.
この定理はウィルソンの定理を利用して証明できます. 以下のリンクを参照してください.
ーー> Clement.pdf
最後に.
双子素数であるための必要十分条件は分かっているのに, 無数に存在するのか, 有限個しかないのかが分かっていないというのも不思議です.
双子素数に関する研究は今も進んでいて, 2014年には, 「差が246以内である2つの素数の組は無数に存在する」ことが証明されたそうです. この246という数字が2まで縮まる日も近いのでしょうか.