問題.
今回は, 自作問題の1-(10), 2変数関数の最大値の解答・解説です.
問題.
実数がの範囲を互いに独立に動くとき,
の最大値と, そのときのの値を求めよ.
通常2変数関数の最大・最小値問題では, まず を固定して だけを変数と考えて最大・最小となる (通常 の関数として表される)を求め, 次にその を代入して の身の関数として最大・最小値を求めます.
しかし, 今回の問題では与えられたをで微分しても複雑な式になり, 上手く解けません.
今回の場合, 分数の形をしているので, を座標平面上の2点を通る直線の傾きと見なして, 図形で考えていきます.
解答例.
平面上で2点, を考える. このとき,は直線の傾きを表しています.
が, の範囲で変化するとき, 点は円上を, 点は円上を, それぞれ独立に動く. 直線の傾きが最大となるのは, 図のように直線の傾きが正で2円の共通内接線となっているとき.
とし, 直線と軸の交点をとする. 図形の対称性から. , なので, で三平方の定理からとなります.
直線の傾きは, の傾きを計算すればよいが, から軸に下ろした垂線の足をとすればとが相似であることから, 傾きは
よって, の最大値は. このとき, 2点の座標を求めると, , となるので, .