数列の極限
数列の極限の例はこちら.定義
数列について, を限りなく大きくするとき,
(i) が一定の値に限りなく近づくとき(*), はに収束するといい,
\begin{align*}
\lim_{n\to\infty}a_n=\alpha
\end{align*}
または,
のとき
と書く. また, を数列の極限(値)という.
(ii) が限りなく大きくなるとき(**), は(正の無限大)に発散するといい,
\begin{align*}
\lim_{n\to\infty}a_n=\infty
\end{align*}
または
のとき
と書く.
(iii) 数列がに発散するとき, は(負の無限大)に発散するといい,
\begin{align*}
\lim_{n\to\infty}a_n=-\infty
\end{align*}
または
のとき
と書く.
(iv) が収束せず, に発散もしない場合, は振動するという.
注意
(*). 厳密には, 「どんな正の数に対してもある自然数が存在して, が成り立つ」とき.(**). 厳密には, 「どんな正の数に対してもある自然数が存在して, が成り立つ」とき.
例.
のとき,\begin{align*}
\lim_{n\to\infty}n^k&= \infty\\
\lim_{n\to\infty}\frac{1}{n^k}&= 0
\end{align*}
数列の極限の性質
(収束)とするとき,
(i)
(ii) , (:定数)
(iii)
(iv) , ()
また, のとき,
(v)
注意.
上の(v)のように, (定数)/ や, (正の定数), (定数) などが成り立ちますが, や , , のような形式の極限は一般に「不定形」と呼ばれ, その値は場合によって異なります.(は数を表す記号ではないので, のような式を書いてはいけません. ここでは説明のために形式的にそのような表記をしています. )
また, 非常によく使う定理として, 以下のはさみうちの原理があります.
(i) のとき, (収束)とすると,
(ii) のとき, (発散)とすると,
(iii) のとき, (収束)とすると,