数学の力

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京大2010年度理系[甲]第1問(確率)


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問題.

1 から 5 までの自然数を1列に並べる. どの並べかたも同様の確からしさで起こるものとする. このとき 1 番目と 2 番目と 3 番目の数の和と, 3 番目と 4 番目と 5 番目の数の和が等しくなる確率を求めよ. ただし, 各並べかたにおいて, それぞれの数字は重複なく 1 度ずつ用いるものとする.

確率の問題ですが, 京大で定番の漸化式を使うパターンではなく簡単なものとなっています.

 

解答.

1, 2, 3番目の数の和と3, 4, 5番目の数の和が等しいとき, 1, 2番目の数の和と4, 5番目の数の和が等しい.

1から5までの数のうち, 和が等しくなる2つずつの組(同じ数字の重複を許さない)は,

(1, 4) と(2, 3)
(1, 5) と(2, 4)
(2, 5) と(3, 4)

の3通り.

それぞれに対して, 3番目の数は使われていない数字1通りに決まり, 2組の順番と, 各組の中の数字の並べ方がそれぞれ2通りずつ*1 なので, 条件を満たす並べ方は

 3\times 2\times 2\times 2=24 通り.

5 つの数字の並べ方は全部で  5!=120 通りあるので, 求める確率は

 \displaystyle \frac{24}{120} = \frac{1}{5}.


*1:例えば, (1,4)と(2, 3) の場合, 14523,  14532,  41523,  41532, 23514,  23541,  32514,  32541 の8通りで, 他の場合についてもそれぞれ 8 通りずつあります.