指数の定義と性質
累乗根
は自然数とする. 乗して(回同じものを掛けて)になる数をの乗根といいます.
定義(乗根) :
(1) が偶数のとき
(i)であれば, 実数の乗根は絶対値の等しいものが正負1つずつ存在し, 正のものを, 負のものをと表す.
(ii) であれば, 実数の乗根は存在しない.
特に, の場合はをと書く.
(2) が奇数のとき
の実数の乗根は, と同符号のものがただ一つ存在し, それをと表す.
() 0の乗根は, にかかわらず0.
このとき, 次の公式が成り立ちます.
累乗根の公式 : は正の整数で, , とする.
(1) ,
,
(2) ,
例.
指数の拡張1(有理数範囲)
指数の拡張
を実数, を正の整数とするとき, 次のように定義します.(1) (),
(2) ,
但し, が奇数でが偶数のときはとします.
指数法則
指数について, 次の法則が成り立ちます.指数の拡張2(実数範囲)
のが無理数の場合については, 各項が有理数で, に収束する数列を考えて, が収束する値をとします. (*注1)
例えば, の場合, に収束する数列を用いて, を考え, この数列の収束する値をとします.
このように定義することで, 指数法則はやが実数の範囲でも成り立ちます.
例.
(*注1) 任意の無理数に対して, に収束する有理数の数列が存在することが知られています. また, \の取り方は1通りではありませんが,は同じ値に収束することが知られています.