数学の力

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指数方程式, 指数不等式


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指数方程式

指数方程式とは, 次に示すような変数 xが指数部分に含まれる方程式です.

\begin{align*}
2^{2x+1}-9\cdot 2^x+4=0
\end{align*}

 

このような場合, 次の手順で解きます.

  1. 指数部分(今回の場合 2^x)を yとおく.
  2. 方程式を yについての方程式に直す.
  3.  yについて解く.
  4.  y=2^xから,  x=\log_2{y}として解を求める.
 

今回の場合,  y=2^xとおくと, 方程式は

\begin{align*}
2y^2-9y+4&= 0\\
(2y-1)(y-4)&= 0
\end{align*}

となり,  \displaystyle y=\frac{1}{2}, 4.

 xに戻すと,  \displaystyle 2^x=\frac{1}{2}, 4より,  x=-1, 2となります.

 

指数不等式

指数不等式は,

\begin{align*}
2^{2x+1}-9\cdot 2^x+4\geqq 0
\end{align*}

のように, 不等式の指数部分に変数 xが含まれるものをいいます.

 

この場合も指数方程式の場合と同じように,  y=2^xとおいて解きます.

 

但し, 次のことだけ注意が必要です.

 

(1)  a>1のとき,      a^\alpha>b^\beta\Longleftrightarrow \alpha>\beta

(2)  0 < a < 1のとき,  a^\alpha > b^\beta\Longleftrightarrow \alpha < \beta

 

底の部分が1より小さい場合は不等号の向きが逆になります.

 

上の例では, 左辺は指数方程式の例と同じなので, 因数分解して不等式を解くと,

\begin{align*}
(2y-1)(y-4)\geqq 0\\
y\leqq \frac{1}{2},\,4\leqq y\\
\therefore 2^x\leqq\frac{1}{2}=2^{-1},\, 2^2=4\leqq 2^x
\end{align*}

 

((底) =2>1なので),

\begin{align*}
x\leqq -1, 2\leqq x
\end{align*}

となります.