ディオファントスって?
ディオファントスという数学者をご存知でしょうか?
ディオファントスは古代エジプトの数学者です.彼の著書である『算術 (Arithmetica)』は,後にフェルマーがフェルマーの最終定理として知られる書き込みを余白に書き残したことでも有名です.
ディオファントスの墓碑銘
ディオファントスの墓には,次のような内容が書かれていたとされています.
ディオファントスの人生は,6分の1が少年期,12分の1が青年期であり,その後に人生の7分の1が経って結婚し,結婚して5年で子供に恵まれた.ところがその子はディオファントスの一生の半分しか生きずにこの世を去った.自分の子を失ってから4年後にディオファントスも亡くなった.
この問題は簡単な1次方程式を立てて解くことができます.
ディオファントスが 歳まで生きたとします.すると,
少年期が 年,
青年期が 年,
その後結婚するまでが 年,
子供が生まれるまでが 5 年,
子供が亡くなるまでが 年,
それからディオファントスが亡くなるまでが 4 年,
そして,これをすべて足し合わせるとディオファントスの一生なので 年になります.
よって,
\begin{align*}
\frac{x}{6}+\frac{x}{12}+\frac{x}{7}+5+\frac{x}{2}+4 &= x\\
\frac{75}{84}x+9 &= x\\
\frac{9}{84}x &= 9\\
x &= 84
\end{align*}
となり,ディオファントスは 84歳まで生きたことがわかります.
\frac{x}{6}+\frac{x}{12}+\frac{x}{7}+5+\frac{x}{2}+4 &= x\\
\frac{75}{84}x+9 &= x\\
\frac{9}{84}x &= 9\\
x &= 84
\end{align*}
となり,ディオファントスは 84歳まで生きたことがわかります.
ところで,私が小学生で1次方程式を分からないときにこの問題を見て,次のように考えました.
問題文の中に,分数がいくつか出てきます.6分の1, 12分の1, 7分の1. そして,少年期,青年期,結婚するまでの期間はおそらく割り切れて整数になります.
そう考えると,ディオファントスの一生の長さは,6, 12, 7 のすべてで割り切れる,つまり,6, 12, 7 の公倍数になります.
さて,6, 12, 7 の最小公倍数は で,2番目に小さい公倍数は ですが,そんなに長生きをするはずがありません.
よって,84歳とすると,確かに問題の条件を満たしていることが確認できます.