問題.
問題.
を自然数とする. の方程式 が3つの異なる整数解を持つような の条件を求めよ.
左辺は3次式, 右辺は3乗根となっていて, もし両辺を3乗して整理すると,
\begin{align*}
(x^3+n-1)^3 = n^3(nx-n+1)
\end{align*}
9次の方程式となってしまい上手く解けません.
そこで, 問題の方程式の特徴を見つけて解きます.
答えはこのページの少し下にあります.
解答.
与えられた方程式は なので,とおくと
\begin{align}
y^3 &= nx-n+1 \tag{1}\\
x^3 &= ny-n+1 \tag{2}
\end{align}
となり, についての対称な関係式が現れます.
(1)から(2)を引いて
\begin{align}y^3-x^3=n(x-y)\end{align}
移項, 因数分解して
\begin{align}(y-x)(y^2+yx+x^2+n)=0\end{align}
なので .
(2)に を代入して について解きます.
\begin{align}x^3=nx-n+1\end{align}
\begin{align}x^3-nx+n-1=0\end{align}
\begin{align}(x-1)(x^2+x-n+1)=0\end{align}
\begin{align}\therefore x=1, \frac{1}{2}(-1\pm \sqrt{4n-3})\end{align}
が整数となるとき, は奇数なので
自然数とおくと
元の方程式の解は となり, これらが異なる解になるには .
以上より, , は 2 でない自然数.
最後に
解答例の中の と の関係式(1)を\begin{align*}
y=f(x)=\sqrt[3]{nx-n+1}
\end{align*}
とおくと, 式(2)は
\begin{align*}
x=f(y)
\end{align*}
つまり, 逆関数を用いれば,
\begin{align*}
y = f^{-1}(x)
\end{align*}
となります.
つまり, はじめの方程式の解 を求めることは, と の交点を求めることだったわけです.
と のグラフは直線 について対称なので, それらが 上で交わりそうだ, という発想から生まれた問題です.