問題.
今回は,自作問題の8番,軌跡の問題です.
この結果は有名なので,知っているかもしれません. の部分に具体的な数字が入っている場合は入試問題でも出題されたことがあります. 2 本の接線が直交するという条件をどう扱うかが難しいですが,接点の座標からではなく点 の座標から話を進めていくとうまくいきます.
解答例.
まず,接線のうち 1 本が 軸に平行な場合を考えると,その接点は で,接線は . このとき,もう 1 本の接線は 軸に平行なので, であり,2 本の接線の交点 の座標は (複合任意).
次に,2 本の接線がどちらも 軸に平行でない場合,点 の座標を とおきます.
この点を通って傾き の直線の方程式は,
\begin{align*}
y &= m(x-p)+q\\
&= mx-mp+q.
\end{align*}
これが楕円 と接することを考える.
楕円 の方程式 に代入して,
\begin{align*}\frac{x^2}{a^2}+\frac{(mx-mp+q)^2}{b^2}=1
\end{align*}
両辺に をかけて展開し, について整理すると
\begin{align*}
(a^2m^2+b^2)x^2+2a^2m(-mp+q)x\\
\quad\quad+a^2(m^2p^2+q^2-2mpq-b^2)=0
\end{align*}
この 2 次方程式の判別式 から,
\begin{align*}
\{a^2m(-mp+q)\}^2-(a^2m^2+b^2)a^2(m^2p^2+q^2-2mpq-b^2)=0
\end{align*} 展開,整理して
\begin{align*}
a^2b^2\{(a^2-p^2)m^2+2pqm+(b^2-q^2)\}=0
\end{align*}
なので
\begin{align*}
(a^2-p^2)m^2+2pqm+(b^2-q^2)=0 \tag{$\ast$}
\end{align*}
これを についての 2 次方程式と考えたときの 2 つの解を とすると,これは点 を通る,楕円 の 2 本の接線の傾きです.すると,2本の接線が直行するという条件は となります.
ここで, において解と係数の関係を用いると なので,
\begin{align*}
\frac{b^2-q^2}{a^2-p^2}&= -1\\
\therefore p^2+q^2=a^2+b^2
\end{align*}
となり,点 は円 上にあることがわかります.
はじめの場合分けして求めた点 もこの円周上にある.
したがって,点 の軌跡は円 .